地方創生にこそ「量」ではなく「質」を

今回は、最近少しずつ思っている「ソーシャル・イン」の考え方を含めて、地方こそ「量」ではなく「質」を考えるべきとの持論を述べたいと思います。   最近の地方の施策として良く上がる共通のテーマとして「企業誘致」「観光誘客」「移住定住促進」の三つは、本当にどこに行っても聞かれます。 少し古い話でいうと地域間競争という言葉もありましたが、観光誘客の外国人観光客以外は、基本的には人口減少の過程で減っていくパイに対して、奪い合うという構造が生まれてくることが必至です。   しかし、よくよく考えると短期的に企業誘致に成功したとしても、移住定住の誘致に成功したとしても、これはあくまで部分最適の話で、移転した元の地域や移住定住の元 […]

フォーラム「美食とお酒の広場」のご案内

国際日本酒普及連盟(ISF)は、東海4県21世紀國酒研究会、名城大学農学部応用微生物学研究室、名城大学日本酒研究会と共催で「国際的な日本酒の普及、日本酒文化や関係する社会環境の整備・保全」に関する知識と実践の共有と探求を目的とした「場」として、フォーラム「美食とお酒の広場」の隔月開催を計画しております。 今回、第一回として、3月18日(土)午後4時30分より、名城大学ナゴヤドーム前キャンパスにて、前回愛知県常滑市の澤田酒造株式会社を会場に行われたシンポジウム『中部からクールジャパン発信;知多半島を例に中部エリアの食文化発信のあり方を考える』の内容を踏まえ、地域固有の食文化保全やクオリティを担保する社会環境整備のあり方と振興施策につい […]

地域産業・観光振興施策と「統合型地域経営」

やっとのこと、藻谷浩介氏と山田桂一郎氏が共著されている新著『観光立国の正体』(新潮新書/2016年11月)を一読することができました。 アマゾンの読者評などでは「批判的すぎて建設的ではない」というようなコメントも見受けられますが、地域の現場に携わり、建設的な取り組みを進めようとする人間からすれば、これだけ批判をしてもし過ぎることはないというくらい、地域の建設的でない人間を客観的に「不易であると位置」づけるという建設的な批判であると受け止めることもできるのではないかなと思います。 近年は、国は観光立国の重要性を謳い、確かに外国人観光客の数も大幅に増え、インバウンド人口の総数など見ても、国の政策目標を上回る訪日観光客が来訪していることが […]

シンクタンクとお酒・食文化

近年、個人的には良い傾向だと思いますが、産官学連携や金融機関を含めた連携など、多様な分野で既存の垣根を越え、社会的価値の創出を目指す動きが多く見られるようになりました。 社会の展開がスピーディーになり、国際的な動きとの関連性が多くなったり、また、人口増加と経済成長が進み国際的なプレゼンスが高まっていたある時と比較すると、何かと忙(せわ)しく、危機感を持たざるを得ない環境だからこそ、こう言った動きが「トレンド」になっているのかもしれません。 こう言った動きが、流行の枠を超え、単に短期的なイベントとして存在する以上に、長期において、社会的価値の創出や、それを支える枠組みとして機能するに足るものとして捉え、物事が進められていくことを願うば […]

「地酒」と「原産地呼称管理制度」

昨日から長野県内に滞在し、様々な蔵元や郷土食を巡っています。 3月18日から名城大学ナゴヤドーム前キャンパスで隔月開催する予定のフォーラム『美食とお酒の広場』の第一回が、長野県の「原産地呼称管理制度」の話が主で、また第二部では信州の食とお酒の組み合わせを楽しむ会を開催する予定のため、事前の調査を兼ねた巡回です。 もちろん明日は休暇を兼ね、趣味のクロスカントリースキーをするのですが!! ということで、今回は蔵元だけで東西南北、計8蔵を回りました。 有名どころだと、協会7号酵母の元である諏訪の宮坂醸造株式会社。「真澄」の銘柄で知られています。 一方で、完全に家族経営だけでやっている小規模な蔵元もあります。 それぞれが魅力的な蔵であるばか […]

要素複合的結果産業としての「観光」

人口が減少していく日本、特に地方にあって、2007年より施行された観光立国推進基本法から続く、国の観光立国への流れには期待を寄せる関係者も多いと思います。 外国人観光客の入国者数は、2007年にはおおよそ835万人だったのが、昨年2015年には約2201万人と7年間で264%以上の伸びを見せています。 もちろん、人口が減少していく地方では、都市部からの人口流入(移住定住)はハードルが高いにしても、ぜひ来てお金を落として欲しいというのが、一つの期待としてあり、観光促進施策というのが、一つの重要なテーマとして挙がっていることと思います。 私が関わっている地域でも、やはり観光というのを切り口に地域振興を図っていきたいということで、行政や公 […]

「予算がない」という欺瞞を超えて

2016年もあと僅かですね。 光陰矢の如し、で、刻一刻と時間は待ってくれません。 今年一年を振り返ると、1年前と思うと、大変なこともあるけれど、ずいぶん楽しい日々を送らせていただいているとも思います。 10年前に戻ってみたいという思いもあるけれど、人生の中でいつが良かったか?と問われると、結構、今が一番楽しいんですね。   時間は状況に少なからず変化を与えてくれます。そして、人も少なからず変化していきます。 私も少なからず変化があるように思います。   振り返ると5年前の2011年には「東日本大震災」がありました。 もう5年も経過しています。 私は、その2011年の11月一杯である地方自治体を退職しました。 震災 […]

「残念な」麹屋さん

郷土の食材に携わる身として、様々な生産者との出会いから、本当に様々なことを考えさせられます。 そして、そこに正解があるのか、正しい見解があるのかというと、胸を張って「YES」とは言い切れないことばかりです。   今回、名水を武器に地場産業や観光振興に取り組んでいる土地で出会った「麹屋」さんとのやりとりもまた、考えさせられるものでした。 表題に「残念な」というタイトルを載せたのは、まず第一に、この麹屋さん、あと3年で麹作りをやめる算段を立てているというのです。 朝早く、夜遅く、地下にある麹室での激しい作業。さらに味噌や甘酒といった麹を使った製品作りもし、直販のための手配もしなければならない。それを老夫婦で賄っているのだから、 […]

六次産業化・農商工連携フォーラム

12月14日に中部経済産業局、東海農政局が主催する「六次産業化・農商工連携フォーラム」に参加してきました。 すでにフェイスブックで感想を少し述べているので、下欄に転載いたしますが、加えて、今回は国の機構でいうと経済産業省と農林水産省の管轄ということなのですが、地域レベル、現場・実践レベルでは「六次産業化・農商工連携」は、あくまで一つの切り口であり、取り組み上の目的としては、ここで触れられていない他の分野とも共通しており、特に近年は、様々な分野が歩み寄り、また多様な要素を統合させながら、社会環境や振興のための機能を作っていくということが求めらるのではないかと感じました。 私たちの国際日本酒普及連盟では、これらの社会環境整備や振興のため […]

見えない資産を伝える

久悦では、ISF(国際日本酒普及連盟)を通じて、国内外における日本酒と食文化を始めとした文化の普及のための事業を推進しています。 国内外ですので、もちろん海外での動きも対象となります。 先日は、フランス南部のビール醸造家からコンタクトがあり、現地で100%フランス産の地酒を造りたいということで相談がありました。 フランスをはじめ、欧州でも日本酒に対する理解が進み、一部の中では広がってきていますが、一方でマスプロダクトとしての中国産清酒や、場合によっては蒸留酒なども日本酒として売られている実情があります。 そのような環境にあって、100%フランス産地酒を造り、その楽しみや価値を伝えていこうとする彼らは、私たちが現地で広めていきたい日本 […]